2013年4月9日火曜日

山岳事故のシュミレーション勉強会。

 本日は午後から山中で事故が起きたことを想定し、ガイ連(ガイド連絡協議会)主催の勉強会でした。ゴールデンウィークも近いことですし、4月上旬はあまり仕事もない時期なので、まさにこのタイミングだったなと。事故がないにこしたことはありませんが、実際に大きな事故も毎年起きているので、こういう練習は本当に大事だなと思います。過去に何度もやっていますが、繰り返ししなければ意味がありません。

 でもって、実際に白谷雲水峡へ行き、人が少ない場所を選んでシュミレーション開始!一発目は、Sの迫真の演技が光る事例。頭部出血、左腕骨折の疑いという状態。実際に普段持っていっている救命道具を用いて練習です。ケガの処理も大事なんですが、それに加え、段取りも重要。周りの環境やレスキュー要請の仕方などなど、ケガ以外にもやることはたくさんあります。


 2発目は低体温症の事例。屋久島では夏場でも装備が不十分な人や子どもなどが低体温症になります。軽度のものを含めるとなかなかの数になるかもしれません。これまた段取りが重要でして、ただ温めればいいってものではありません。何度も練習することによって、実際に現場に居合わせた時の動きはかなり違ってきます。


 そして、最後はかなり難易度の高い事例。無線の流れも含め、一連の流れをシュミレーションしました。自分が連れいているお客さんでなくとも、病院がすぐ近くにない山の中は、傷病者がいたら誰かが何かをしなければいけません。屋久島の場合は、その役割をガイドが背負っているのも事実。一般の人が倒れていたら、素通りできるわけがありません。ボクも一般の登山者を助けなければいけないシーンが何度かありました。ササッと対処できるのはこういう勉強会があってこそなのだなと思います。


 とまぁ、3つの事例をあ〜だこ〜だ言い合いながら、シュミレーションしました。いつもは一緒に歩くお客さんを「いかに楽しく歩いてもらうか」、「屋久島の美しさをどうやって感じてもらうか」なんてことばかりを考えていますが、その土台にはこういった練習の積み重ねがあるわけです。技術は磨いてこそ、身に付くものですから。幸いにもボクはお客さんに救命の技術を披露したことはありません。これからもこういった練習は幾度となくしていく予定ですが、これからもガイド中は救命の技術は披露しない予定です…。

 というわけで、GW間近!屋久島に遊びに来てくれた人が事故なく、ケガなく、最上級の笑顔になってくれたらなぁと思う勉強会でした。

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