2013年3月31日日曜日

高田さん、逝く。

 高田久夫さんがお亡くなりになりました。ガイド中に高田さんのことを話すことも多いので、このブログを読んでいる方も知っている人がいると思います。今の屋久島を語る上で最重要人物であり、いろんな意味で屋久島の森を高田さん以上に知っている人はいないと思います。

 今日は葬儀でした。実は3月の上旬に亡くなられたのですが、本人の意向で葬式はしない予定だったようです。もちろん、周りが黙っているわけがなく、多くの方達が参列していました。ガイドも10人ほど参列。ボクも山ですれ違った時に挨拶していただいたり、講演会や勉強会で話を聞かせてもらった程度ですが、涙が止まりませんでした。現愛林(高田さんの会社、土埋木の搬出をしている会社です)代表のHさんの弔辞が心に染みました。ボクも間接的にもの凄い影響を受けたのは確かです。たくさんのことを教わりました。

 親交があったオカリナ奏者の宗次郎さんが高田さんに作った曲を吹き、早くも涙腺が…。ガイドとして、印象的だったのが「高田さんに四季を通し、何度も山や森を案内してもらい、曲がどんどん生まれてきた…」と。屋久島の森は他の場所と違い、ただ歩いただけではその凄さがほんのちょっとしかわかりません。ガイドが身体を使い、言葉を操ってこそ、森を歩いた人が大切な「何か」を得られるのだと思います。もちろん高田さんのように全身全霊で森を語ることはできませんが、「森」と「森を歩く人」との間にボクがいることを再確認しました。

 ここ10年ほどは、後継者を育てることに情熱を注いだり、講演会や勉強会もたくさんしていました。「伝える」ということを大切にしていたのだと思います。名誉ある賞もいろいろもらったそうですが、高田さんが屋久島に残したものはそれ以上に凄いものだと思います。このブログを書いている最中でも、小さい体の大きな背中が頭に浮かんできます。

 高田さんが残したもの、高田さんが伝えたかったもの、高田さんがやりたかったことはあまりに多くて、あまりに大きいものでした。もちろんここで書けるようなものでもありません。失礼ながら、ボクが屋久島でガイドをしていく限り、ずっとお世話になる人です。今でもこれからもそれは変わらないと思います。そんな意味で、「これからもよろしくお願いします」と言いたいです。

 というわけで、今夜はしっとりとしたブログになってしまいました。ちなみに冒頭の写真は昨年4月の写真。この時もいろいろ語ってくれました。その時のブログは下記を参照してください。
http://biyakublog.blogspot.jp/2012/04/blog-post_09.html

追記:高田さんのことをもっと知りたいと思う方は「屋久島の山守」(草思社)をお読みください。屋久島関連の本で絶対に外せない本です。

2013年3月30日土曜日

山桜が絶好調!

 本日も元気いっぱい、カッツーと一緒に白谷〜太鼓岩へと行ってまいりました〜。実はカッツー、昨日は縄文杉へ行き、筋肉パンパン…。それでも笑顔でスタートとなりました。

 今日は午前中が晴れの予報だったので、まずは太鼓岩を狙うことに。といいつつ、苔もまだまだ元気でありまして、フワフワでした。ところどころでは、まだ雫ちゃんも残っており、ヤロー二人で「雫ちゃんてかわいいよねぇ〜」と連呼しながらテクテク歩きました。


 カッツーは部活もしていたので、脚力抜群!昨日もMさんガイドと一緒に歩いたので、屋久島トークもちょっと突っ込んだ話を織り交ぜて、進みました。ん〜、今日の森も素晴らしいです。縄文杉ほどガンガン歩く必要もないので、写真もたくさん撮りながら良い森歩きでありました。


 でもって、駐車場はほどほどに車があったのですが、森の中はほとんど人がいない状態だったんです。とりあえず、トイレ休憩して「苔むす森」付近に到着。するとビックリ!「もののけ祭り」と言わんばかりに大盛り上がりでした〜。おそらく路線バスに乗ってきた人がちょうどこの場所に着く時間帯だったようです。盛り上がってます。

 

 そんな盛り上がりだったので、写真撮影は後回しにして、一気に太鼓岩へ!カッツーの脚力も抜群でありまして、良い汗かきながら登り詰めました。ん〜、最高ッ!春霞な雰囲気がまた良い陽気でありまして、風が気持ちよかった。冷たい風ではなく、ほのかに暖かみを感じる春の風…。絶妙でありました。


 でもって、山桜も絶好調!数日前が満開に近い状態かなと思ってましたが、その後は嵐が来なかったので、エクセレントな風景が広がっておりました。昨日&今日辺りが今年のピークっぽいです。モコモコとした山肌が心に響きます。


 太鼓岩の上はボチボチ人がいたのですが、みんな去るのが早いので、いつのまにかガラガラに。すかさず、岩で就寝のカッツー。両手を大きく広げたくなる陽気が写真からもわかるのでは…。暑くなく、寒くなく、優しい太鼓岩でありました。


 と、のんびりした後にレッツ下山。岩屋でランチをしていると変態ガイドのKさんがいて、これまた盛り上がっておりました。最近、ここでよく会うなと。
 で、ランチ後もテクテク下山して、苔むす森付近に戻って来ると、今度はほぼ貸し切り状態!朝の大盛り上がりとは対照的に、静かな空間を楽しめてしまいました。行きで後回しにした撮影会も完了。ナイスだったなと。


 そして!帰りはハード系の道のりを進んだのですが、一発目の沢でカッツーが水にどぼん!!思わず、美しい風景に見とれてしまい、落ちてしまいました。すると、準備万端のカッツーだけに、替えの靴下を持ってきておりました〜。ナイスです。まぁ、靴に入った水は浸透しておりますが、いくぶん快適であります。


 帰り道は登りとは違って、道草に寄り道に、のんびりトレッキング。陽の当たっている場所は苔が乾き気味になってきたものの、濃厚な緑色の中を歩けました。
 で、とある休憩ポイントでブレイクタイム。ヤロー二人っきりでワイワイしゃべってあっという間に時間が過ぎ去っていきました。旅の話になり、小笠原トークも盛り上がったなと。カッツーはなかなかどうして忙しき身。旅に出れる時にいろいろ周って、人生を謳歌して欲しいなと。3月は卒業旅行で来ている数人グループの男子学生の群れが多かっただけに、カッツーのような一匹狼を応援したいオヤジ心であります。旅っていいなぁ〜。

 とまぁ、そんなオヤジ心は置いといて、天気予報通りに雲が多くなってきました。この木漏れ日がなくなる森もまた濃厚な色を発しており、最後の最後までナイストレッキングでありました。


 そんなこんなで、無事に下山完了!狙ってもなかなか当たらない山桜を楽しめつつ、ヤロー二人で白谷を闊歩できました。車に乗ってからも、寄り道…。寄り道って楽しいなぁ〜と。狙ってもいないのに、絶景な寄り道ができちゃいました。絶妙な雲と光の風景…。「寄り道こそ人生だ!」とは言いませんが、宿に到着するまで、いっぱい遊べた一日となりました。

2013年3月27日水曜日

森の潤いが最高な白谷でした。

 本日はすでに来島5回目のマミちゃんと初屋久島のユミッペと一緒に白谷〜太鼓岩へと行ってまいりましたぁ。前日までは黒味岳へ行く予定だったのですが、天気予報が「所により雷を伴う」とあり、これはヤバいということで、作戦会議の結果、白谷へ行くことになりました。午前中はそれほど荒れない様子だったので、いつもより1時間ほど早めのスタート。個人ガイドの特権である「時間差攻撃」ってヤツです。団体様達は決められた時間に決められた場所に行かなくてはいけないので、個人ガイドの腕が試される天気でもありました。

 でもって、天気予報よりも早く雨が降っていてスタート時はすでに森が潤いまくりの状態でした。歩き始めて3分…。すでに前進するのをためらうほどの美しき苔達がお出迎えしてくれました。


 小雨模様でも雲は高く視界も良好。対岸の山肌に山桜がぽつりぽつりと咲いており、ナイスでありました。この時期の山肌はこれでもかというほどに、モコモコしていて、見ているこっちが元気になってしまいます。


 とまぁ、1時間早くスタートしたにも関わらず、あんな話こんな話をしているとなかなか前に進めない森でありました。ユミッペも初屋久島だったので、屋久島基本トークをたくさんしながら、ボチボチ登りました。雨は強くはならず、それでいて止むこともなく、絶妙な潤いでありました。ちなみに下の写真は、いじけている2人ではなく、苔や杉のちびっこを観察している二人です。


 今日は作戦として一気に太鼓岩を狙うことにしました。ハードなコースは帰りに回ることに。さらにはちょいと早めの時間帯だったので森の中もガラガラ…。いや〜、贅沢であります。吐息が出るほどに、濃厚な苔の緑が美しかったです。マミちゃんもカメラが雨に濡れることもお構いなしにパシャパシャ写真を撮れました。こんな日はついカメラを出さない人も多いのですが、そこは屋久島通のマミちゃん。雨の日だからこそ燃えておりました。


 とまぁ、その後も道草を食いつつ、進み続けました。潤う森に後押しされるように、一気に太鼓岩まで突っ走りました〜。
 そして、岩からの眺めは期待していなかったのですが、標高1200mぐらいまで見え見えでありました。ん〜、森の潤いに加えて、太鼓岩の景色も堪能できるというナイスコンディション!


 さらには山桜もピーク中であります。今日はそれほど風が強くなかったので、明日明後日もきっとナイスでありましょう。黒味に行く予定だったのが、この山桜に吸い込まれるように太鼓岩に来てしまったわけです。ありがとう!桜さん。今日の10時頃の桜開花状況です。モコモコしてます。


 岩でのんびりしていた間も雨は降っていたのですが、なんてことはない雨で逆に気持ちよかったなと。これだったら桜もそれなりに残りそうです。ちなみに後で聞いたら、1時間ほど後に登った知り合いのガイドは真っ白で何も見えなかったとのこと。作戦成功でありました。
 そんな太鼓岩を満喫したあとに、雨がよけれる場所でランチタイム。途中で変態ガイドのKさんがやってきて、辺り一面を盛り上げておりました。ハハハ。今日は全てのタイミングがよかったのですが、太鼓岩でも初めは完全貸し切りだったり、ランチタイムも良い場所でした。ボクらが去る頃になるとご一行様が押し寄せて来るという絶妙な流れでありました。

 でもって、今日は帰りにハード系のコースを回るために下山スタート。途中で、2つだけオオゴカヨウオウレンが残っておりました。すかさず、その名前をスラスラ言えたマミちゃん。さすがヤクシマ通です。去年も3月に来たので、一年ぶりの再会でありました。たぶん、この2つが今年最後のオオゴカヨウオレンだったかなと(白谷内で)。撮影に夢中になれました。


 それにしても、今日の潤いはナイスでありました。豪雨でもないのに、森は雫だらけ…。その美しさに何度足を止めたことか…。ん〜、雨の白谷最高です。ユミッペも初屋久島にして、こんなコンディションの森を歩けて贅沢だったなと。


 帰りのハード系コースもかなり時間に余裕をもって歩くことができました。寄り道と道草を繰り返し、どっぷり緑の世界に入り込めたわけです。
 で、雨がよけれる岩でブレイクタイム。これまた原生林コースの方はほとんど人もおらず、優雅で贅沢な時間でありました。ユルい時間だったなぁと。


 というわけで、最後まで笑顔をキープしたままに下山完了!森の潤いに酔いつつ、山桜に呼ばれて太鼓岩を堪能でき、どっぷり白谷を楽しめちゃいました。なんともかんとも癒されっぱなしの一日でありました。

2013年3月26日火曜日

太鼓岩の山桜が見頃スタートです。

 本日はガイドではなく、家族で太鼓岩まで行ってまいりました〜。山桜が気になって仕方なかったので、ワイワイ登ってきました。昨年よりもちょいと早めです。毎年、書いているような気がするのですが、いつも浪人時代に教えてもらった和歌を思い出してしまいます。

 「世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」
 (直訳:この世に桜がなかったら、春って季節はのどかなんだろうなぁ〜。)

 いつもこの時期になるとボクもソワソワしてしまいます。この和歌はそんな心を見事に詠っているなと。屋久島でも「あそこの桜はどうかなぁ」とか「次の雨で散ってしまうんだろうなぁ」とか、心が落ち着きません!

 さらに脳みその中を浪人時代にタイムトリップすると、

 「ひさかたの 光のどけき 春の日に しず心なく 花の散るらむ」
(直訳:光がのどかな春の日に、桜の花ってのは落ち着くこともなく散っていくなぁ〜」

 これまた名歌であります。意外と覚えているもんすね。桜と日本人の心ってのは昔っからおなじなんだなと。

 で、本日の山桜です。


 屋久島に限っていえば、今年は暖冬。一本の木に付く花が少なめです。それなりに冬が冷えないとモコモコ〜っと咲かないですね。寒すぎもまた問題ですが…。8分咲きといったところですが、明日は嵐になりそうなので今年のベストは今日だったかもしれません。今週末までピークが続いたらいいなぁ〜。

 というわけで、心が落ち着かない今日この頃でした。

2013年3月25日月曜日

龍神まで行けちゃいました!

 本日は久々にウエさん&マキさんと一緒に龍神杉へと行ってまいりましたぁ。実はお二人は初屋久島なのですが、会社の同僚やら知り合いから「龍神がよかった…」と聞いたらしく、縄文杉を外し、白谷を延期して、龍神とあいなったのでありました。ちなみに美屋久の輪でありまして2011年の11月にガイドさせていただいたハルエさんつながりでした。

 ここまでは一見するとよくあるパターンなのですが、実はマキさんが龍神へたどり着けるかどうか不安いっぱいだったのであります。問い合わせの時から、「以前、山登りをした時につらい思いをして…」と山道を歩くトラウマがあったのであります。しかし!そこはかとなく、ボチボチ歩きましょうということでスタートとなりました。


 ちなみにマキさんが苦手なのは「登り坂」。以前は足が上がらずに泣きそうになったらしいのですが、スタートは順調でありました。「けっこう大変!」ともらしつつ、問題無しのペースでした。
 でもって、マキさんの気を紛らわしてくれたのが、今日の苔でした。昨日それなりに降っただけに、緑の色が濃くて、活きがよく、見ているだけで美しすぎでありました。ウエさんもたくさん写真を撮っておりました。


 屋久島トークをあれこれしながら進んでいると、青空が広がり始めました。もう辺りはキラキラモードに。たわわに実った雫ちゃんたちも輝いておりました。


 さらには地味系の花もいろいろと咲き始めていて、春が加速中!派手系だと今朝の風で落ちたのか、リンゴツバキもキレイに道を飾ってくれました。緑色とツバキの色って絵になります。


 そんな感じで道草を食いながらも良いペースで歩けました。問題は最後に残る急斜面だったのですが、ボクが「急ですよ〜」と脅迫(?)していたので、マキさんも不安ながらに覚悟を決めていた感じでした。
 もちろんグングン進むわけではなく、テクテクと登りました。途中途中で気を紛らわすために短めの休憩をいれたり、所々で屋久島の森トークをしたりと、騙し騙し(?)がんばりました〜!


 「大変!」ともらしつつも、急斜面をクリア!終わってみればなんてことはない普通のペース内で歩けちゃいました。そのご褒美なのか、「神々の領域(仮称)」では木漏れ日が差し込みキラキラモード!今日は北西の風が強かったので、冷たい風がまた良い演出でした。


 まさかここまでたどり着けるとは思っていなかっただけに、マキさんも苔の景色とあいまって感動の領域に…。ウエさんも「してやった!」といった感じでニヤリとしておりました。
 で、龍神杉に付近に着くと、何やら大騒ぎな声がしてきました。けっこうたくさん人がいるのかなぁと思って行ってみたら、なんのことはない仲良しガイドのMちゃんが女性の方を1人連れて大笑いしていたのであります。女2人で、5〜6人いるのではないかと思う騒ぎようでした。ハハハ。思わず、ボクらも仲間にいれてもらい、みんなでワイワイガヤガヤ楽しいひとときでありました。


 で、2人が去って行くと、静かな龍神様に…。笑。龍神様の根っこにはまだオオゴカヨウオウレンが咲いていました。3月いっぱいでこの花の季節も終わりそうです。


 思ったより、寒かったのですが、良い時間を過ごさせていただきました。後ろ髪引かれつつも、神々の領域とお別れ。来れないと思っていただけに、感無量でありました。


 でもって、マキさんはこれまた問い合わせの時から言っていたのですが、「下りが得意!」だったのです。快調に、爽やかに下りて来れました。先を歩いていたMちゃんたちにも追いついてしまったほどです!トロッコ道跡まで戻ってきて、また談笑。旅は道連れ世は情けであります。


 とまぁ、その後も快調でして、沢でものんびりブレイクタイム。山桜が風で散り、美しき雰囲気でした。水に落ちていた桜の花。きれいでありました。


 最後の砂利道を歩いていると、山が大笑いしているかのように新緑が広がっておりました。山肌を見ているだけで元気が出る季節です。エクセレント!


 というわけで、初めの不安はどこへいってしまったのか、最後の最後まで笑顔で帰って来れました。少しだけマキさんの左モモが痛くなっていましたが、余裕の帰還。日没に間に合わないかもしれないと思っていたにも関わらず、日没1時間半前に下山完了。ウエさんも「(他の場所じゃなくて)龍神に行って本当によかった」と笑顔満点!
 そんなこんなで、大変だけど達成感&感動を全身で感じれた一日となりました。

2013年3月22日金曜日

モッチョムリベンジ。

 本日は昨日に引き続き、コンタニ夫妻と一緒にモッチョム岳へ行ってまいりました〜。前日は宮之浦岳に行っているので、かなり疲れているかなぁと思いきや、朝から笑顔満点のお二人。多少、足にきているものの、元気いっぱいでありました。ちなみに屋久島に着いた日に白谷へ行っているので、3連チャンの山登り!しかも、宮之浦岳に続いてモッチョムというハード系…。凄いです!

 実はコンタニ夫妻は昨年もモッチョムを狙っていたのです。登山の案内板には「4時間50分」で往復できると書いてあったので、歩き始めたら、あら大変…。加えて、途中で大雨が降ってきて、その日のうちに帰らなければいけなかったので、引き返したでした。今日はそのリベンジだったのであります。

 そんなリベンジマッチがスタートして、いきなりの急斜面!登ります。


 2本足ではなく4本足でどんどん登ります。


 ところどころで、リンゴツバキの花がぽたぽた落ちていて、心が安らぎました。それでもまだまだ登ります。


 とにもかくにも問答無用の急斜面が続きます。するとキジョランの種髪が落ちていました。どこから飛んできたのか、この独創的なスタイルにハッとさせられました〜。ちなみに10センチほどのもので、見応えあります。そして、また登ります。


 ガンガン登って、たまに植物に癒されつつ、汗だくになって万代杉到着!涼しい風が通り抜けて爽やかでありました。良い樹です。


 つかの間の休憩も忘れるほどに、登りが続きます。モッチョム太郎にご挨拶してからも、ガンガン登り!根っこクライミングで汗を流しました。


 それにしてもハード系。奥さんも「この山に登ったら、他の山が楽に感じるわね!」と刺激的な道のりに挑戦状をたたきつけておりました!ちなみに屋久島でもここまでのハード系はほとんどないので、Mな山であります。登山初心者や普段山登りをしない人は決して行ってはいけません…。ところどころで短い休憩を入れつつも、まだまだ登ります!登山道ではなく、壁なのではないかと思う所も登ります。


 神山展望所を越えてからは、登って下っての連続!この時にはもう「進むしかない!」と山登りの悟りを開けます。


 数々の難関を越えて、最後の難関に!高い所が苦手なコンタニさんは「もうここでいい!」といいつつも、ロープをつたって頂上に立てました〜〜〜〜!リベンジ任務完了!昨日のような青空ではありませんが、全てが見渡せるナイスランドスケープでありました。モッチョム最高!


 でもって、今日はパノラマが撮れるカメラも持っていたので、180度パノラマをお楽しみください。クリックすると大きくなるはずです。

 

 そんな絶景ではありましたが、風もあったので下の岩陰におりて休憩しました。コンタニさんもやっと落ち着くことができました。笑。


 そこそこの風で身体も寒くなってきたので、ちょと下山してからランチをすることに。もちろん今まで歩いてきたハード系アップダウンを歩きます。いや〜、下りも怖いので一瞬たりとも気が抜けないところであります。


 そんなこんなで、展望所に戻ってきてランチタイム。するとコンタニさんの携帯に着信が!緊急地震速報ではないですが、緊急お天気案内でした。一気に天候が悪化するとのこと。レーダーを見ても1時間もしないうちに凄いことになりそうでした。なので、早食い並みの速度で弁当をほおばりました。


 ちろっと雨が降り始めて、すぐさまレインウェア装着!どんな雨が降るんだろうとハラハラドキドキしながら下山しました。


 え〜、ちなみにコンタニさんのレインウェアが屋久島の森と一体化していて、かっちょよかったです。下の写真はぱっと見よくわかりません。コンタニさんを探せッ!


 とまぁ、雨が降ってきているので、根っこや岩場も滑りやすくなって、ときどきツルッとしながら集中して歩きました〜。でも、期待していた豪雨はやってこず、潤う森のトレッキングといった感じでした。途中、雨に喜ぶヒキガエルのヒッキーも登場。ん〜、つぶらな瞳がかわいい…。


 結局、豪雨にはならず、ほどほどの雨でした。帰りはほとんど休まずに一気に下山。集中力が続きました。何よりもお二人の体力に脱帽っす!今の若者達にはできない芸当なのではないかと思います。それほどに、急斜面のオンパレードなので…。

 というわけで、最後はハイッタチして下山完了!モッチョムリベンジ成功!森の中でブレイクタイムは取らなかったので、車の中で勝利のコーヒーを頂きました。うまかったなぁ〜。


 そんなこんなで、登りに登って、下りに下った一日となりました。さすがのコンタニさんも足が想い通りに動かなくなりましたが、勝利の笑顔でリベンジできました。


2013年3月21日木曜日

爽快!宮之浦岳。

 本日は屋久島2回目のコンタニ夫妻と一緒に宮之浦岳へ行ってまいりました〜。昨日のブログにも書きましたが、午前中は豪雨。しかし、この時期の天気予報はそこそこ当たるので、「晴れ」を信じていざ出発とあいなりました。

 山の頂上を目指す時は森歩き以上に天候に注意を払いますが、登山口に着くと満天の星空…。北西の風だったので、空気も冷たく雨の心配は無用でありました。でもって、夜明け前の登山道を歩き始めると、トワイライトタイム。ん〜、なんとも良い時間帯です。森が目を覚ますような感覚がたまりません。


 でもって、空気は冷たかったのですが、30分ほどでコンタニ夫妻はヒートアップ!すかさず、上着を脱ぎました。熱い夫婦です!


 テクテクと進み、我らが淀川へ到着。昨日は濁流になったと思うのですが、今朝はこれでもかという透明な水でありました。思わず、美しさに酔いしれました。


 コンタニ夫婦は昨年から山にはまってしまったようで、毎週のように山へ行っているとのこと。急斜面で奥さんが「大丈夫かしら…」とちょっと弱気発言も飛び出しましたが、順調なペースで進めました。トーフ岩もこの通り。ん〜、爽快。


 徐々に標高を上げていくと、日陰にはつららも残っておりました。里では春爛漫でありますが、奥山はまだ凍るほどの気温であります。


 でもって、ロープ場でよっこらしょと進んでいると、奥さんがロープをほとんど使わずにサササッとおりてきました。ボクが「小さい頃から野山をかけめぐっていたんですか?」と聞くと、「近所に野山はないので、家の塀を登ってました」とのこと!わんぱくガールが宮之浦岳登山に良い影響を出しておりました。


 宮之浦岳登山はそれなりのペースで歩く必要があるのですが、所々で屋久島トークをしつつ、テクテク歩き。森林限界に入ると鹿ちゃんが闘っていました!といっても、激しさはなく、可愛い声を出していたのでじゃれあっていたのかな?ちなみに同じ場所に4頭のオスがたむろしておりました。何かを企んでいたのかもしれません。


 この時期は花が少ない奥岳なのですが、一株だけアセビ(馬酔木)の花が満開に!鈴なりに咲いて、元気をもらえました。大変な道のりでありますが、こういった光景が応援してくれたわけです。


 頂上手前に来てからも、奥さんが「たどり着けるかしら?」と不安げな様子。そこはかとくなくグイグイ進んで、無事に屋久島最高峰を頂きました〜!しかも、全部丸見えのワンダフルワールド。風は冷たかったですが、火照った体に爽快な刺激でありました。エクセレントです。


 とまぁ、こんなにも好条件の日だったので、のんびりタイムスタート。岩の裏に回って、風をよけていたら、これがまたぽかぽか陽気でまったりモードがどんどん加速していきました。今日は縦走の登山者が多かったのですが、入れ替わり立ち代わり頂上を通過していき、最後は貸し切りの頂上に。贅沢だったなと。
 で、下山する直前に祠へ。思わず忘れてしまう所だったのですが、やはり頂上に来たらお参りしなくては気が済みません。信仰しているしていないに関わらず、祠の前で手を合わせるという行為は屋久島の山と人の関わりの原点のような気がします。別に何かを願うわけではなく、祈りをささげるわけでもありませんが、なんだかホッとできます。ちなみに北斜面側はバリバリ凍っておりました。やっぱり寒いんだなと。


 でもって、想定していた時間以上にのんびりしちゃいました。こんな好条件の日にササッと帰るなんてできません。良い時間でした。そんな充実した時間の後は下山開始。お二人とも普段から山に行っているだけあって、順調な足取りでした。
 そして、全国のヤクシマシャクナゲファンの皆様に朗報です。今年もそんなに咲かないかなぁと思っていたシャクナゲ様ですが、けっこうイイです。登山道脇でもドバ〜っとツボミが付いているものもありました。今年はいろんな花がちょいと早めなので、5月20日過ぎ頃がベストかなぁと勝手に予想しております。少なくともここ5年くらいの間では一番ナイスかなと。あくまで予想に過ぎませんが…。


 で、晴れが続くと太陽光線で体力を消耗してしまいますが、岩陰だともう気持ちいいってなんのって!火照った体がリセットされました。ん〜、春先の宮之浦は気持ちいいなぁ。まぁ、昨日のような豪雨&雷も多々あるので、今日という日が素晴らしかったのだと思います。


 森林限界から森林に戻って来ると、ほぼノンストップで淀川まで頑張りました〜。疲れて来ると集中力が落ちてきますが、集中力が持続できる速さで歩けました。そして、我らが淀川にてブレイクタイム。トイレの清掃に来ていた町の職員さんにもご挨拶できて、ナイスな時間となりました。休んでいる岩の上にスポットライトのように陽が当たり、さらに良い演出をしてくれました。


 というわけで、行きの不安をよそに、笑顔マックスで下山完了!もちろん身体はかなり疲労感満載でありますが、達成感と爽快感が入り交じる素晴らしき宮之浦岳登山となりました。