嵐のように過ぎ去ったゴールデンウィーク。
しかし、今回は行政もガイドも気合いの入れ方が違いました。
例年、いろいろと問題の起きる縄文杉へのルート。
ちなみに4/25〜5/6までに縄文杉に行った人は5800人ちょい。
これは去年とほぼ同じ人数なんですが、
山の快適度は今年の方が断然歩きやすかったです。
で、GWに来た人たちは見たと思いますが、
「携帯トイレ」の試験導入が大きな話題でした。
個人的にかなり画期的な取り組みだったと思うんです。
というのは、既存のトイレはほとんどが世界遺産になる前に作られたもの。
今回は書きませんが、行政の怠惰の一言に尽きるんですね。
屋久島の長老ガイド達は、15年以上も口を酸っぱくして、
行政にいろんな要請をしていましたが、何も動きがなかった…。
ボクはまだまだペーペーのガイドですが、
毎日山に入っていると容易に想像できるんです。
そこで、今年は環境省の自然保護官という肩書きのO田さんが立ち上がりました!
ボクが知る範囲で、この人ほど「本気」で動いた人はいなかったと思います。
すでに今年に入ってから、ボランティアで何度か山に入りましたが、
O田さんの苦労に比べれば、3時起きなど屁でもない。
行政とガイドの中間に立ち、さらには登山客の要望にこたえ、
手探りの中、本当によくがんばったと思います。ある意味、革命です。
もちろんまだまだ改善点はありますが、大きな一歩だったなと。
で、肝心の携帯トイレ。
今回は、森の中に小さなテントブースを作った訳です。
下の写真は、縄文ルートの世界遺産エリア直前に立てたものです。
中は下の写真のような感じ。
賛否両論ありますが、けっこう個人的にはかなりいい出来だと思います。
中に入るとちょっと暗いのですが、意外と広く身動きとれます。
この便座の上に、購入持参した吸収剤の入ったビニール袋の携帯トイレをかぶせます。
これが今回使われて、今後も使っていくタイプの携帯トイレです。
おそらくこのブログを読んでいる皆さんはちょっと抵抗があるかもしれません。
がしかし!既存のトイレよりもかなり快適なんです、これが。
なんと言っても臭くないッ!
アンケートの集計はまだ終わっていないんですが、
女性の方には「既存のトイレよりずっと奇麗で快適」とか、
「(気に入ったので)2回も使っちゃいました」というご意見もあったんですよん。
ボク個人の感想はというと、けっこう病み付き?になるかなと。
食わず嫌いみたいなもので、一度使ってしまえば、かなり有用であります。
本当です。夏のシーズン中は、約3ヶ月間ほど携帯トイレ期間があるので、
興味のある方はぜひぜひ使ってみてください。ボクが手ほどきをいたしましょ〜。
屋久島の山がウ○コまみれになるのと、ちょっとした勇気で環境が守られるのと、
どっちを取るのかって聞かれたら、断然後者でしょ〜。
そして、今日の本題に。
意見交換会は、けっこう白熱しまして、本気モードでした。
携帯トイレに関しては、思ったほど悪い意見はありませんでした。
環境省の自然保護官がやった素晴らしい仕事だったのではと思います。
基本的には、島内のガイドとの意見交換会だったんですが、
みんな関心が高く、会場にもたくさん人が集まっていました。
もう一つの論点は山岳部の「募金」です。
山小屋のトイレは「人力」で下まで運んでいるんですが、
その費用が足りないので、登山される方に「募金」を頼んでいるんです。
知ってましたか?忘れなければツアー中に話すんですが、
なかなかうまくいかないんですよね。
しかし、GW中、美屋久のツアーに参加してくれた人は、
けっこう募金を入れてくれたので、本当に感謝です!
今後とも屋久島に遊びに来る方はぜひぜひご協力お願いします。
「一口500円」とお願いしているんですが、
100円でも200円でもいいんです。
気持ちっすからね。そこが大事であり、次につながっていくと思います。
ボクらガイドは基本的に掃除等はボランティアでやりますが、
トイレの運搬はさすがに凄い労力です。20キロ担いで山を下りるんです。
問題は行政のやることですから、お金の流れがよくわからない…。
その辺を追求して、良い方向に向かわせるのもボクらの仕事だと思ってます。
なので、ぜひぜひ募金にご協力ください!
みなさんの子ども達にも世界に類を見ない自然で遊んでもらうために…。
(上のセリフはちょっと臭すぎ?)
そして!悲しい事に自然保護官の勇士、
O田さんが任期満了で来週いなくなります。
O田さんの仕事を受け継ぐのが、M永さん。
O田さん以上に「打たれ強い」ということなので、期待大ですねん。
いろんな所からプレッシャーがあると思いますが、
へこたれず頑張ってください。微力ながら、手伝いますから。
会が終わってから、屋久島の森に大きな第一歩を踏み出した男と記念撮影。
本当にご苦労さんでした。
欲を言えば、あと3年ぐらいいて欲しかったです…。
ということで、トイレの話が続いたので最後は旬の花。
里では海紅豆(かいこうず・アメリカデイゴ)が満開です。
ブームの「島唄」にある「でいご〜の花がさき〜…」のデイゴの仲間。
南アメリカ原産ですが、屋久島の地でも元気に育ってます。
ということで、この話題はまだまだ続きますので、
要チェックしておいてくださいね。
携帯トイレ。。。
返信削除私まだ使ってないので少々の不安があったのですが、
大きなメリットあるじゃないですか!
臭くない!これ最高です。
もちろん、山のことも考えて。
自然保護官の方、ずっと上からブログ読んでたら
ちょっと年配の方かと思っていたら
スクロールしてって写真がとても若いのでびっくりしました!
おっす!なっちゃん。夏に来る時はぜひぜひ使ってみてね〜。
返信削除今回は大雨が降らなかったから、うまくいったと思うんだけど、
これが天候によってもけっこう使い心地が違って来るはずなんだ。
とりあえず、臭くはないと思うから、ぜひ!
O田さんは、若いよ。そして、熱い行動力を持っている。
なっちゃんと同じぐらいじゃないかなぁ。詳しくはわからないけど。
今回は、携帯トイレに勇気がでなかった・・・。
返信削除でも、今度行く時は携帯トイレ使います。
屋久島の自然守りたいから、私にできることから少しずつやっていかなきゃね。
私もNONOさんのような人かと思っていたけど、〇田さん若くてびっくり!
なおみちゃん:イケメン!とは違うけど、熱いソウルが伝わってくるよ〜。
返信削除今度はどこの国立公園に行くのかわからないけど…。
ということで、携帯トイレはなかなかいいよ〜。
今度はいっぱい用意しておくよん。
こんにちは!初めてコメントします。
返信削除このシーズンになるといつも思うこと。
「なぜ、こんなに人を山に入れるんだ!」
立山に何万人とか、富士さんに電車で登れるようにするとか、
考えただけでも、「その人たちのし尿処理はどうなってんの?」といつもいつも思います。
もっと入山制限すべきじゃないだろうか。
本当に山を守りたいなら、観光客なんか入れるべきじゃない。
募金なんて言わずに入山料取ればいいし。
観光で食べてる人は死活問題だろうけど、
もうそろそろ「山の上に自動販売機」なんてやめようよ。
今回は人がいる所を避けて行動していたので
返信削除GWにも関わらず混んでいるという印象を全くうけませんでした。
でも縄文杉や白谷はすごかったんでしょうね。
結局、携帯トイレは使わなかったけれど
臭くないという点とボランティアの方々のご苦労を軽減できるなら
携帯トイレの正式導入に大賛成です!
募金箱があると必ずお金を入れるようにしていますが
本当に正しい使われ方をしているのかと疑問に思います。
それは入山料という形にしても同じなのかな。。。とも思ったりして。
その辺がグレーだからお金を払わない人もいるのでは?
いずれにせよ、あの美しい大自然を守るために
1人1人の意識を変えていくことが大切ですよね。
今回はお花摘みをしてしまったので心が痛みます。
あっ、どの携帯トイレを買ったらいいか今度教えてね!
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除匿名さん:どうもです!熱いご意見ありがとうございます。
返信削除自然を愛する気持ちが伝わってきます。
で、もちろんのこと屋久島がこれほどまでに盛り上がる前から、
入山規制の件も、入島料の件も、
さらにはトイレ問題も熱く議論されています。
ボクらは仕事を断ってまでして、山のトイレを清掃したりします。
それは、行政がなんとも動かないし、少なからずボクらが動けば、
ほんの少しではありますが、効果があるからです。
ぜひぜひ、「屋久島町」あてに直接熱いメッセージを送ってください。
ボクは4年以上ずっと言い続けていますし、
長老ガイド達は15年以上頑固に行政と闘っています。
この日の意見交換会の時も、行政側は言葉に窮することばかり。
本人達もわかっているけど、動けない状況なんだと思います。
町長なんかは、そういった生の声が聞ける会には参加しませんしね。
がしかし、屋久島のすごいところも同時に紹介しておきますね。
1970年まで山の中に人が住んでいたのはご存知でしょうか。
540人以上の人が生活を営んでいたんです。
その時のし尿は今の比ではありません。
観光で登山をする方は、「大」は一回するかしないかです。9割は小です。
人が住んでいた時は、もちろんのこと樹齢千年以上の屋久杉も切るし、
水洗トイレもないし、そりゃぁダメージは凄かったと思います。
それでも、屋久島はたぐいまれなる環境で、
今でも普通に山の水は飲めるし、
トイレ付近の森をのぞけば、マイナスイオンだらけです。
そして、禿げ山になった所も、数十年でかなりの回復力があります。
栄養がない土なのに、この島の自然の力は凄いなといつも思います。
あと数百年後にはまたもの凄い森になっていると想像できます。
少なくとも匿名さんが考えていることは、すでに議論し、
あとは行動にうつす手順を踏んでいる所です。
行政とはやはりそういう所なんだと思います。はんこの世界…。
うれしい事に屋久島の山には「自動販売機」はないのでご安心を!
おいしいお水がたくさんありますからね〜!
「観光で食べている人は死活問題」というよりは、
屋久島観光協会や町が「儲け主義」走っているような感じがしますね。
この辺はチャンスがあれば、文章にしようと思います。
で、屋久島町に熱いメッセージを送る時は、
ぜひ「匿名」ではなく、しっかりとした名前で投稿してくださいね!
そうでないと、単なる空論になってしまう事もありますし。
正しい事を言う時は、つい「自分」を隠したくなることもあると思いますが、
「匿名」さんの考えている生の意見は素晴らしい事なので、
胸をはって投稿してもよろしいかと思います。
また熱いメッセージ待ってます!
あっちゃん:今年のGWは募金もけっこう集まったみたいだよ。
返信削除観光で来る人が、「募金」の事を知らされていない事が一番の問題かな?
たぶんそんなことが行われているなんて、知らないはず。
ガイドブックにも書いてないし、汚い所は見たくないだろうし。
ようやく、新設トイレを作ることになったから、少しはうまく行くかな?
もちろん現場の声を聞いたつもりで、変なトイレができるかもしれないけど。
人が少ない所は、お花摘みでもまぁ大丈夫かな。
鹿や猿の方が圧倒的に多いし、自然の力は凄いから。
問題は人が一カ所に集中しすぎるってところなんだよね。
あと携帯トイレは、島に入ってくれば、観光協会などなどで購入できるよ。
通常で買うよりもちょっと高めなんだけど、
それは島内でしっかりとした処理をする料金も含まれているんだ。
まぁ、行政ことだからどんな風にお金が流れているかわからないけれど。
教えてくれ!と言っても、詳しくは教えてくれないしね…。